知恵産業研究会報告書

第3章 京都企業の「知恵」の抽出

3.「京都企業の知恵」抽出結果

3.2 「新価値創造アプローチ区分」、「事業展開ステップ区分」別の知恵の使いどころ分析

図表24に整理した「知恵」を、まず「新価値創出アプローチ区分」に分け「事業展開ステップ区分」ごとの特徴を捉えると以下のとおりとなる。

特徴

  • ブランド価値を維持するには、生産段階での品質管理が重要である。それを可能にするための知恵として、設計から製造まで一連の工程を自社で行う垂直統合型生産システムが成功事例の中には見受けられる。また、専門家の強みを活かすために新たな分業体制を構築し、強みのネットワークを築いている。さらに、高品質な商品の生産(良質なサービスの提供)のためには、生産者(サービス提供者)のモチベーションが重要であり、顧客を身近に感じられるビジネス環境が功を奏している。
  • 特に、小規模な企業では人材が重要。良い人材を集め、その人材が人財として遺憾なく力を発揮できる体制が必要である。そういう人財に、顧客の目線に立った、顧客の思いを具現化する仕事をいかに行ってもらうかが高品質の商品・サービスの生産に欠かせない。

具体的事例

の事例

消費者との年間契約・近隣農家との生産分業体制により農産物の弱みである価格変動・不安定供給を克服

農業生産法人こと京都(株)

試作案件と試作パートナー企業の最適なマッチングによる生産

京都試作センター(株)

の事例

魅力ある企業ブランド力で人材確保、知恵を生み出す職場環境の構築

(株)リーフ・パブリケーションズ

指導が生きがいの伝統工芸士の協力

京都伝統工芸専門大学校

の事例

顧客の思いを具現化し、注文書を超える「こういうものが欲しかった」といわせるデザイン・機能性に富む商品を納品

大東寝具工業(株)

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