第三者承継

愛知・京都センターの連携でM&Aが成約

〈譲受〉杉山隆仁さん と〈譲渡〉故･榊原敏さん

株式会社ユナイテッドスポーツの杉山社長は、今まで培ってきたスポーツイベント企画運営のシナジー効果を最大化するため、地元学生との連携が図れている後継者不在のスポーツ店を引継ぎたいとの思いで、京都府事業承継・引継ぎ支援センターを訪れた。
譲受に対する希望条件は、①球技系の種目を中心として小・中学校と連携しているスポーツ用品店、②地域は関西圏・東海圏で学校の近辺など。
相談を受けた京都センターでは、全国48か所センター内で共有する引継ぎDB(データベース)を検索し、愛知県事業承継・引継ぎ支援センターの支援先で条件に合う譲渡希望案件を見つけ、調整を進めた。

譲渡人と譲受人。双方の熱い思いを伝え合うことで意気投合。

調印式にて（於 愛知県 榊原スポーツ）

愛知県センターと連携し、進め方を協議しながら、マッチングが順調に進むようそれぞれを支援。
秘密保持の契約を交わして、2021年11月、両センター立ち合いの上、トップ面談へ。
榊原氏は高齢で体調がすぐれない中、承継後の事業計画や、榊原氏の思いを引き継ぐことを第一に考えるなど、杉山氏が抱く事業引継ぎに対する熱い思いを伝えたことで、その熱意に応える形で、両者は意気投合した。

府を跨いだ連携と、アドバイスによる事業承継。

円満な事業引継ぎを喜ぶ両経営者とご家族の皆さん

2022年3月1日に双方による事業譲渡契約を締結した後、4月1日に譲渡が無事完了。
榊原氏は契約締結直後の3月9日、責任を果たしことに安堵したかのように逝去されたが、杉山氏は、これまで培ってこられた榊原氏の思いを引継ぐべく京都から移住。一緒に働いていたお孫さんと共に、榊原スポーツ店を盛り上げ、地域に貢献している。

事業承継・引継ぎ支援センターでの対応内容

【対応内容】
①引継ぎDBによる相手方探索　
②事業譲受手続きの指導
③承継後の事業計画策定支援　
④承継後の資金調達方法支援
⑤承継の本気度について聴取と精神的なものを含むアドバイス　

【ひとこと】
本案件は府を跨いだ広域のマッチングでしたが、センター間での緊密な連携と、それぞれの相談者に対する適切なアドバイスを含む細かい支援が奏功したと思われます。
また、後継者不在企業に対して譲受者が金銭等の条件だけではなく、譲渡者の思いを第一に汲み取ったことが成功の要因であり、改めて両者の思いが一番大切であることが再確認できました。　　　　　　　　　　　　　　（京都府事業承継・引継ぎ支援センター 統括責任者 宮嶋 渉）