経営者のための人財育成通信 vol.11
2024年11月07日 コラム
ティーチングとコーチング
説明できますか?
部下との接し方は上司にとって悩ましい問題ですよね。そして悩める上司は「ティーチング」と「コーチング」という考え方を知り、さっそく実践しようとしますが、それぞれ目的や得られる効果が異なります。その違いを説明できますか?
ティーチングとコーチングの違い
ティーチングとは、生徒に教師が指導するように、経験の浅い部下に上司が培ってきた知識やノウハウを教える手法です。上司から部下へのコミュニケーションスタイルは一方通行で、上司が明確な答えを持っているという前提です。ティーチングで部下が得るものは「知識・スキル」です。
一方コーチングの目的は、部下の成長を促すために気づきを与えることです。上司はコーチの役割を担い、双方向のコミュニケーションを通して、気づきやヒントを提供します。部下は自ら考え、主
体的に行動する力を得ることができます。
ティーチングとコーチングのメリット・デメリット
ティーチングのメリットは、部下に業務に必要な知識・スキルを短期間で伝えられることです。また、講義形式でチーム全員に一度に指導できます。デメリットは、部下が自分で答えを探す必要がなく、受動的になって自主性や独創性が育ちにくい点です。
一方コーチングでは、部下の考える力を養い、自律を促します。主体性を引き出し、自己効力感を高めることで、自ら考えて行動し、実行へのコミットを高めることが期待できます。デメリットは、指導に時間がかかることや、複数人を一度に指導することが難しい点が挙げられます。スキルがない上司の指導では部下のモチベーションを下げてしまうこともあります。
目的に応じて使い分けよう
「ティーチング」、「コーチング」とも強みがあり、目的に応じて使い分けることが大事です。使い分けで部下の意欲を引き出す人財マネジメント・人財育成ができますのでぜひチャレンジしてください。
※本コラムは京都商工会議所会報誌 BUSINESS REVIEW 2024年 7-8月号に掲載分の再掲です。