経営者のための人財育成通信 vol.10
2024年10月17日 コラム
新入社員が離職してしまう
中小企業における新入社員の定着率向上は大きな課題となっています。早期離職の原因はさまざまですが、仕事を覚えることや人間関係の構築といった、新しい環境でのストレスの影響が大きく、定着には新入社員へのサポートが大切です。特に近年は、働き方改革が進み、多様な価値観への理解が求められ、従来のOJT任せでは新入社員のストレスをカバーしきれない可能性があります。ストレスを適切に解消できず、メンタルヘルスの不調等で離職につな
がるケースも少なくありません。
新入社員定着率向上のための1on1ミーティング
新入社員を定着させる取り組みで効果的といわれているのが「1 on1ミーティング」です。上司と部下が1対1で行う定期的な面談のことで、上司は部下の話を聞き、悩みや不安を把握することで、次のような効果が期待できます。
・新入社員の孤独感や不安感を軽減する
・上司と部下の信頼関係を築く
・新入社員のエンゲージメント(意欲)を高める
中小企業では、人手不足や時間的制約等、導入にハードルを感じるかもしれません。しかし、ミーティングの形式や時間に決まりはなく、状況に合わせて柔軟に実施することでも効果は期待できます。
まずは、週1回15分程度から始めてみることをおすすめします。
1on1ミーティングを成功させるポイント
成功のカギは、上司が一方的に話すのではなく、傾聴することです。それにより、新入社員の悩みを把握できます。その上で、新入社員の努力や成果に具体的なフィードバックを与えつつ認めること、そして抱える問題に対しては解決策を一緒に考える等のアプローチを行うことがポイントです。そしてこのような機会を定期的に設けることが重要です。1on1ミーティングは、新入社員と企業にとって双方向にメリットをもたらすコミュニケーションです。ぜひ積極的に実施し、成長と活躍をサポートすることで、人財を企業の成長の源泉にしていきましょう。京都商工会議所では、管理職向けに部下とのコミュニケーションに関する研修を行っていますので、ぜひご活用ください。
※本コラムは京都商工会議所会報誌 BUSINESS REVIEW 2024年 5-6月号に掲載分の再掲です。