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[知恵のチャレンジャー・ネットワーク] 第1回セミナー「エコビジネス」(9/7開催) 報告

第1回セミナー写真

知恵のチャレンジャー登録者をはじめ「エコビジネス」に関心を持つ事業者等約70名の参加のもと、先駆的な取り組み事例を紹介した。橋本工業(株)橋本社長による「地熱住宅」、かりおん柴山店主による「サイクルシェア」の発表と、立命館大学経営学部中森准教授との鼎談を通じて、知恵の使いどころを検証した。


■橋本工業(株)「地熱住宅」の知恵の使いどころ

地球温暖化対策により、省エネルギー産業が大きな環境ビジネス市場を形成すると期待されている中、住宅業界では太陽光発電に注目が集まっています。しかし日本で一番日照時間が長い高知市に比べ、山陰地方の冬場の日照時間は約半分しかありません。同じコストをかけても、全国同一の効果が得られないのです。そこで地元の顧客に本当に満足いただくため橋本工業(株)が着目したのは、顧客説明などが非効率的で大手ハウスメーカーが参入しない地熱住宅でした。
橋本工業(株)の所在地は、夏は暑く、冬は寒い福知山盆地。ところが地下5メートルの温度は年間を通じて15℃前後です。この環境をそのまま住宅に取り込むため、橋本工業(株)の地熱住宅は、外壁や屋根だけでなく、基礎部分にまで外断熱施工を行い、布団をかけたホームコタツのように地中の熱を家の内部まで包み込みます。そのため、外気温度の影響を受けにくく、1年中室内温度を同一に保つことができ、その上、結露も防げ、住宅寿命も長くなります。
地域の弱みを克服することで自社の強みを構築、地域に密着し、地域に合った家をつくる。全国規模で標準仕様住宅の大量販売を行う大手ハウスメーカーとの差別化を図る知恵の使い方です。


■かりおん「サイクルシェア」の知恵の使いどころ

近年、CO2排出の少ない自転車利用を推進しようとする動きが全国的に見受けられます。ただし不法駐輪をはじめ、問題も少なくありません。かりおんのサイクルシェアは、1台の自転車を複数会員の間で効率よく使う仕組みを通じ、環境に貢献し、かつ不法駐輪の削減にも一役買っています。
出町柳駅前にあるかりおんの店舗には、朝、駅から大阪方面等に通勤する「ホーム会員」が、自宅から自転車に乗って来てこれを返却し、電車に乗って通勤通学して行きます。一方「アウェイ会員」は、電車で出町柳まで通ってくると、先ほどホーム会員が返却した自転車に乗って通勤通学先に向います。夕方は逆にアウェイ会員が自転車を返却し、ホーム会員が借りていくのです。この時間差と、空いた自転車から順に使って行くというシステムで、わずか15坪の狭小店舗で280台の自転車を所有し、効率的な経営をしています。
利用料金は、周辺駐輪場の月額料金より低い月極2千円(2009年9月時点)で、丁寧にメンテナンスをした自転車の提供、会員との店頭でのコミュニケーション、バーコードによる自転車管理システムなど、会員が自転車をいかに快適かつ有効に活用していくかに多くの知恵が使われています。
 

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