知恵-1グランプリ

漁港とのネットワークを活かした珍魚で作る"真の地魚"商品開発
株式会社食一

一般的に市場に並んでいるのは私たちがよく知った魚ばかりだが、実は漁獲量が少ない、見た目が悪いなどの理由であまり流通せず、地元の漁師だけが食べているという旨い魚がたくさんある。同社は、全国100ヶ所以上の漁港・漁師とface to faceの信頼関係を構築し、水揚げされたばかりの地魚を産地直送で全国1000店舗以上の飲食店などに直送するサービスを展開してきた。

今回のコンテストでは、これまで培ってきたネットワークとノウハウにより、各産地に埋もれた珍魚を地元漁師の食べ方や、自分たちがお勧めしたい調味を施し、付加価値をプラスした"漁師魚の特産品"としてブランド育成していく取り組みが認められた。調味加工は漁港近くにある各地の加工場と連携しながら、マンボウの塩干や味噌漬、ヌタウナギの南蛮漬などの加工品を、鮮魚の卸先である飲食店を通じて販売を行う。飲食店のノベルティやお土産品として扱ってもらうことで、その店の常連さんの舌を通してその魅力を広く発信し、地魚ファンを増やしていく。お客様である飲食店については店の独自色を打ち出すことで売上向上に貢献でき、仕入先である漁港については今まで見向きもされなかった魚の市場価値を高めることにより、地域の水産業の活性につながっていくことが期待される。

食文化の変化や漁獲量の減少、漁師の高齢化・後継者不足など日本の水産業を取り巻く環境は年々厳しさを増している。同社は、水産業の活性化に向けてこれからも漁師に寄り添った活動を展開していく。

■委員長の目

姿が悪いなどの理由で市場に出回ることのない地魚を全国の飲食店に直送するという現行ビジネスの展開として、地魚を加工してギフト品として商品化し、取引のある飲食店で販売しようというプランである。未利用の地魚に商品価値を付加し、漁師にも、飲食店にも利益を配分できる試みとして漁業振興としても評価できる。

<会社概要>
株式会社食一
代表者 : 田中 淳士
住所 : 京都市下京区大宮通高辻下ル高辻大宮町121 カンメン2ビル4階
TEL : 075-821-1900
Web : http://www.shokuichi.jp/
<事業概要>
海産物卸、加工品製造

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