知恵-1グランプリ

日本で唯一の独立系樽屋が商品企画する洋樽熟成酒の販売事業
有明産業株式会社

創業以来、「日本のお酒を樽で美味しく」をコンセプトに、職人の手技が生きる洋樽を製造・販売している。大手ウイスキー会社の生産ラインに属さない国内唯一の独立系メーカーとしての強みを生かし、お客様の細かなニーズを取り入れたオンリーワンの樽づくりに取り組むなど、国内の中小蔵元から大きな支持を得ている。

今回のプランでは、市場に出回っていない洋樽で熟成された焼酎の商品企画・販売事業が認定された。今、ジャパニーズウイスキーへの人気が高まっているが、その一方で熟成された年代ものの酒が市場で不足しているのが現状だ。そこで同社は、酒税法の規制※で出荷できず、焼酎メーカーの樽で10年以上眠っている秘蔵の焼酎に注目した。樽づくりで培った独自のノウハウをベースに、経験豊富なブレンダーが蔵元で眠る焼酎を再加工し、リキュールとして提供することで、規制の問題を解決。樽熟成ならではの深みのある味わい、香り、色合いをそのままに、これまでのウイスキーでも焼酎でもない新たな酒のジャンルを切り拓く。

焼酎メーカーが長年抱えていた悩みを解決するとともに、年代ものの熟成酒を渇望する消費者ニーズに応えるビジネスプランで、ウイスキー愛好家はもちろん、口の肥えたインバウンド客などの関心を引き寄せ、新たな需要の掘り起こしにつなげていく。同社が提供する熟成焼酎が普及することによって、樽酒文化の継承と魅力の発信、そしてジャパニーズ・スピリッツの価値向上につながっていくことが期待される。

※酒税法の規制...熟成することで一定以上の色味がついた焼酎の販売を規制している

■委員長の目(龍谷大学 名誉教授 佐藤 研司)

アルコール飲料市場は縮小傾向にあるが、高付加価値商品の需要は安定している。一方で、多種多様な商品がすでに存在し、差別化した商品作りが難しくなっている中、洋樽製造業者ならではの知見を生かすことで、これまでにない新分野の商品を開発できたことが評価できる。

<会社概要>
有明産業株式会社
代表者 : 小田原 伸行
住所 : 京都市伏見区東菱屋町428-2
TEL : 075-602-2233
Web : http://www.ariakesangyo.co.jp/
<事業概要>
洋樽製造販売(業務用樽、家庭用熟成ミニ樽)

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