知恵-1グランプリ

カカオを現地発酵・自家焙煎した
高級チョコレート材料の生産と販路開拓

Dari K株式会社

多くのチョコレートは、クーベルチュールと呼ばれる画一的な製菓用チョコレート材料に砂糖やバターなどの油脂分と独自の香味素材を加え、成型し直して作られるもので、思い思いの味を作り出すことに限界があった。

しかし同社は、インドネシアの豊かな土壌で育まれた良質なカカオ豆に注目し、2011年の創業以来、カカオ豆本来の風味を活かす焙煎技術を磨き、同社独自の風味を醸し出すチョコレートを製造し、消費者の人気を集めてきた。

今回のプランは、カカオ豆の産地であるインドネシアの農村に自社工場を設け、生産農家への栽培指導やカカオ豆の発酵、更には自家焙煎まで全工程にわたって一貫生産できる体制を構築することで、高級志向のパティシエや製菓メーカーなどの多様なニーズに応えるチョコレート材料を提供しようとするものである。これまでの自家焙煎だけでなく、収穫後の現地における発酵のコントロールにもこだわり、既存のクーベルチュールでは実現できなかった、より多様で繊細な風味づけを可能にしようとしている。また、その取り組みは、インドネシアのカカオ豆を通した「フェアトレード」の取り組みでもある。

消費者は新しいチョコレートとの出会いを求めている。同社オリジナル・チョコレートや、同社のチョコレート原料から作られる国内外の高級チョコレートは、風味、素材の安全・安心、健康にこだわるスイーツ市場に大きなインパクトを与えるだろう。チョコレートの未知なる魅力が、ビジネスの可能性を広げていく。


■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤 研司

インドネシアでの工場設立と技術移転によるカカオ生産者の所得向上・安定と同時に、同社が目指す油脂を加えないカロリーや健康面で優位に立つチョコ原料の販路拡大を目指し、生産国での工場兼研究開発拠点の設立を計画している。拠点設立により量的な問題解消のほか、新たな製品の実現を図ろうとしている。

<企業情報>
Dari K株式会社
代表者 : 吉野 慶一
住所 : 京都市中京区今新在家西町22-1F
TEL : 075-803-6456
Web : http://www.dari-k.com
<事業内容>
チョコレート・焼菓子・カカオ酒の製造販売他

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