知恵-1グランプリ

ふんわり柔らかオリジナル・フロッキー技法を活かしたブランド展開
株式会社ティーヘッド

「フロッキー」とは、ナイロンやレーヨンなどの短繊維を高圧静電気の力で素材に植え込む加工方法のことを指す。電車やバスのシート、ぬいぐるみなど、工業製品を中心に身近なところで多く使用されている。同社は、このフロッキー加工をさらに改良・進化させ、独自の発想と技術で、長毛・極細の繊維(パイル)でも倒れないように植え込むオリジナル技法を開発した。従来のゴワゴワとした手触りとは異なり、ふんわり柔らかな風合いが特色で、植え込むパイルの長さや太さ、色使いを工夫することにより、「グラデーション加工」「多色加工」「透かし加工」など、バラエティ豊かな表現が可能になる。

今回のプランでは、オリジナル・フロッキー技法による今後の市場開拓、顧客創造に期待が寄せられた。これまで同社は、オリジナルブランド「Be anxious(ビーアンキシャス)」を百貨店などに展開。100種類を超えるユニークで斬新なデザインは、若者を中心にユーザーから高い評価を得ている。今まで蓄積してきた「デザイン力」と「技術力」の強みを掛け合わせることで、衣料品はもちろん、靴や鞄、帽子、リボンなどさまざまな分野の商品展開が期待できる。限定的だったフロッキー加工の用途範囲は大きく広がっていくだろう。また、「フロッキー・アーティスト」としての期待が高まっており、異分野のデザイナーや国内外の高級アパレルとのコラボレーションなどグローバル化への夢は膨らむ。これまでにない新しい「美」の世界の創造で、明日のファッション界をリードしていく。


同社独自の加工技術が、独特の質感を持つフロッキー加工を可能にする。


デザインが多様で、加工する生地を選ばないフロッキー加工の用途範囲は広い。


■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤 研司

独自のフロッキー技法に加え、社長のデザイナーとしての才能も優れたものがある。社長の個人的スキルに頼るのではなく、「素材のノウハウをもつデザイナー」という強みを最大限に発揮できる経営環境の整備が必要と思われる。今回の認証を契機として、企業としての事業戦略を策定し、計画的、継続的な事業発展を期待したい。

<企業情報>
株式会社ティーヘッド
代表者 : 吉田 貴志
住所 : 京都市南区久世築山町479-2
TEL : 075-922-0890
Web : http://beanxious.com/
<事業内容>
直植毛フロッキー加工、シルクスクリーン捺染加工

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