坂製作所では、創業以来培ってきた超精密加工技術をもとに、これまでのピストン方式に代わる極小(約6㎏)、かつ図書館内と同等の最静音(43db)のスクロール型コンプレッサーを開発。ポータブル除菌液噴霧装置など、withコロナ時代に対応したオリジナル製品を介護施設や医療機関、飲食店等に向けて提供してきた。 今回、コンプレッサーの性能に直結するスクロール表面の処理加工について、清水長金属工業が量産化に成功した特殊ニッケルめっき(トライボロン、ニムテック)を活用することで、従来のコーティングでは±50μmだった面内精度(塗装表面の厚みの精度)を1/10の±5μmに抑えることが可能となった。スクロール回転の滑らかさと耐久性、動作安定性を兼ね備えたもので、工場などで使われる大型品に比べ、圧倒的に省電力・省スペースであることが強み。脱炭素化への対応が求められる時代において、世の中のニーズにかなう製品と考えられる。ロボット業界、特にAF化等で需要が高まっている協働ロボット市場をターゲットに据え、コンプレッサーの新たな用途展開を目指していく。現在、協働ロボットの主な動力源は電力、または大型の空気圧が採用されているが、本製品を組み入れることで装置そのものの小型軽量化・省電力化を実現できる。大手ロボットメーカーや工作機械メーカー等に技術の価値を訴求し、成長著しい市場でいち早く独自の地位を築き上げることでグローバルスタンダード化を目指す。