機械部品・金型製作などで使う3D切削技術を応用し、アルミの塊から立体的なオブジェ作品を作り出すなど、独自のものづくりに取り組んできた。

今回、培ってきたノウハウを生かし、大型の金属パネルに自由度が高くアート性にあふれる画像やデザインを表現するオリジナル技術（刻鈑）を開発。切削する深さや幅を工夫し、繊細なコントラストを描き出すことによって、モチーフとなる画像が光の反射でホログラムのように立体的に浮かび上がって見えるのが特徴で、スマホなどで撮った写真データはもちろん、精緻な幾何学模様など、これまで蓄積してきた3万枚以上の写真ライブラリを使って、最大2000㎜×4000㎜までのデザインパネルを社内で一貫製作する。複数枚をつなげて、連続する大パノラマとして使用することも可能だ。新たな設備や人材を導入することなく、既存の技術、ノウハウを使って対応できるのが強みで、従来の金属レリーフとは異なるまったく新しいコンセプト商品の提案により、金属加工のさらなる価値を生み出していく。

金属パネルであることから不燃、また大判でデザイン性に富んでいるため、afterコロナを見据え、ビルやホテル、商業施設等の新たな建築・装飾用材料としての需要拡大を目指す。東京メトロ銀座駅の壁面に使われるなど、大手建築設計事務所やゼネコン等の採用実績も重ねている。今後は、国内だけでなく、海外での販路開拓を視野に入れるなど、事業展開の幅をさらに広げていく。