知恵-1グランプリ

再生医療技術を用いた研究用特殊血球細胞・サービスの提供事業
マイキャン・テクノロジーズ株式会社

マラリアやデング熱は世界で年間2億人以上が感染するといわれ、WHOなどが撲滅を掲げて活動しているものの、未だ有効な治療法は確立されていない。ヒトの血液には骨(幹細胞)から分化した血球細胞が多く含まれているが、これらの感染症は赤血球や白血球になる前の分化途中の血球にのみ感染し発症する。しかし、幼若な血球細胞は入手が非常に難しく、研究室で培養しても時間がかかる上、品質や再現性も不均一なため、ワクチンなど創薬の研究評価・開発に結びつきにくい。

こうしたニーズに応え、これまで培ってきた再生医療技術を用いて、血球細胞の成長過程を任意にコントロールし、研究者や研究機関、製薬会社等が求めるヒト特殊血球製品を供給、早期の事業化を目指す。まずは、大学と共同でマラリア研究用の幼若な赤血球細胞キットを開発し、市場テストを繰り返しながら、実用化に向けてさらに製品精度を高めていく。また、デング熱についても他大学と連携し、ヒト生体に近い特殊な白血球細胞を作製。デング熱だけでなく、エボラ出血熱やジカ熱など白血球を媒介とする感染症研究を行う顧客の掘り起こしを目指す。

グローバル化や地球温暖化の影響などにより、感染症の驚異は世界各国に広がりつつある。再生医療技術のノウハウ、技術をさらに磨き上げることで、多様な感染症に対応したサービスを提供することが可能となる。長年ワクチン研究が困難であった分野の研究を加速させる社会性の高いビジネスプランといえる。

■委員長の目

希少性の高い特殊血球や細胞製本を、再生医療技術を使用して研究者や製薬企業に提供しようとするビジネスである。特に、独自ノウハウにより分化途中の幼若な血球にのみ感染・発生する疾患の研究に細胞を安定的に供給できるようにした点が評価できる。まずは、第一段階としてマラリアとテング熱を対象とし、研究用に特化した事業化を目指す。

<会社概要>
マイキャン・テクノロジーズ株式会社
代表者 : 宮﨑 和雄
住所 : 京都市西京区御陵大原1-36 京大桂ベンチャープラザ北館206
TEL : 075-381-3008
Web : http://www.micantechnologies.com/
<事業概要>
研究用細胞製造業

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