知恵-1グランプリ

伝統素材と一体化したアクリル板を使った什器・備品の製造販売
京都樹脂株式会社

百貨店や量販店、路面店の商業用ディスプレイ、サイン表示物、什器・販促品等の製造・施工を手がけている。一口にディスプレイと言っても、その素材や加工方法は様々で、同社では樹脂はもとより、鉄工、木工に精通した従業員や製造設備があり、社内で一貫生産・供給できる体制を整えている。

今回、長年培ってきた合成樹脂加工技術を活かし、西陣織などの伝統素材をアクリル板と一体化させた新しいディスプレイ商材を開発。単にアクリル板の間に素材を挟むのではなく、独自に調合した溶剤を流し込み、素材に浸潤させることで、金糸の艶やかさをより一層引き立て、立体的で奥行き感のある商材を生み出した。顧客のニーズに応じて、アクリル板の形状をドーム形や波形など自在に加工できる柔軟性も魅力だろう。耐久性にも優れ、色あせや汚れがつきにくく、素材の美しさを長く楽しむことができる。西陣織のほかにも、和紙、表具や屏風などのメーカーとコラボすることで、様々な空間を彩るアイテムとして新たな市場開拓を目指す。

クール・ジャパンが注目されている中、特に外国人観光客が多く訪れるホテルや旅館、飲食店等では、伝統とモダンが融合した和のアイテムに注目が高まっている。繊細で取り扱いが難しい伝統素材の活用の幅を広げることで、インテリアや壁面装飾はもちろん、テーブルやチェスト、照明器具、ノベルティグッズなどへと用途が大きく広がっていくことが期待される。

■委員長の目(龍谷大学 名誉教授 佐藤研司)

京都の伝統素材である西陣織をアクリル板に一体化させる加工技術を独自に開発し、新たな市場の開発に取り組んでいる。ディスプレイや什器、インテリア材として西陣織の利用領域を広げるだけでなく、アクリル板の加工特性を生かした新たな用途開拓も期待できる。

<会社概要>
京都樹脂株式会社
代表者 : 末松 靖子
住所 : 京都市下京区西七条名倉町29
TEL : 075-312-3741
Web : http://www.k14co.com/
<事業概要>
樹脂加工製品を中心に木工製品・鉄工製品・サイン表示物、什器、備品類の製造・施工・販売

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