知恵-1グランプリ

「縫う・通す・結ぶ」を応用した技術で熟練者不足の問題解決を提案 
ハムス株式会社

同社は、アパレルや自動車メーカー等顧客の要望に合わせて工業用ミシンをカスタマイズする独自技術で、自動化・省力化を目的とした特殊縫製自動機を開発・提供してきた。下着やジーンズ(ベルトループ)、エアーバッグの縫製自動機のほか、シートベルトや和布団、3D立体(ランニングシューズ)の縫製自動機等、多用途に及ぶ世界初の製品は各業界から高い評価を受け、国内外の生産現場で幅広く使われている。

今回のプランは、60年超にわたる特殊縫製自動機の開発・製造経験で蓄積した「縫う・通す・結ぶ」技術を活用して、指の動きを機械に置き換える自動結び機を提供し、技術者不足や生産力不足といった悩みを持つ靴下等製造現場の問題解決を図り、作業効率化やコスト低減、リードタイム短縮に貢献する事業である。

例えば、靴下のつま先を閉じる製造工程は、100程の細かな網目に目視で一目ずつ針を通していく作業を要するが、同社の自動横編み機の導入により、「靴下を広げる、合わせて縫う、糸を処理する」までの時間を、手作業に比べ、約40%短縮することが可能になる等、製造現場での作業効率の向上やコスト削減に大きな効果を発揮すると考えられる。

靴下業界だけでなく、縫製に関わるメーカーの多くは、優秀な技術者の確保が難しい状況にある。熟練度の高い仕事を一定の品質で行うことを可能にした同社の技術が、様々な課題を抱えるものづくり企業の競争力向上につながることが期待される。

■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤研司

下着やジーンズ、シートベルト等の多岐に亘る自動縫製機製造ノウハウを活かした新市場開拓プランである。今回のプランはメーカーからの要望に応える形で事業が具体化した経緯があり、販路が明確であることが実現性を高めている点といえる。更なる市場開拓につなげていくためには、自社における販路開拓能力を強化することが重要である。

<企業情報>
ハムス株式会社
代表者 : 宮地 康次
住所 : 京都市南区東九条西明田町59-2
TEL : 075-661-1134
Web : http://www.hams-jp.com/
<事業内容>
エレクトロニクス、空圧、機械技術による工業用自動ミシンの開発・製造

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