知恵-1グランプリ

「糸への草木染」量産技術とオリジナル12色が広げる新しい商品用途
株式会社村田染工

近年、自然派志向のユーザーが増加し、ファッションの世界でも「草木染」に対する関心は高まりつつある。特に、草木染の糸染による製品は独特の立体感柔らかで優しい色目といった特徴から注目されている。

草木染による製品・生地・棉(わた)への染色を行う同社は、独自開発の染色機と研究機関などと共同研究した染色方法で、いち早く量産化に取り組んできた。ムラのない均一な染色やJIS規格の標準より高いランクの堅牢度、手工業より早い納期等を実現し、草木染の品質安定化と工業量産化を可能なものとした。このほか、機械を使わず自然乾燥にこだわり、風合いの良さ、生地表面のナチュラル感を出せる特徴を持つ。

今回のプランは、草木染による糸染めの量産化技術・ノウハウ等を活かし、藤や茶、墨黒といったオリジナルのカラーサンプル12色(京洛染)を開発、ストールや婦人服等の衣料のほか、ベビー用品、トートバックといった新しい用途への展開を提案する。同社が取り組む「糸への草木染」量産により、高い染色の再現性や堅牢度、短納期、均一の染色等アパレルやテキスタイル等メーカー側のニーズに応えて、新たな顧客創造を行う。

カラーサンプルの提供によって、メーカー側は草木染の糸を使ってどのような製品を開発できるのか具体的にイメージできるようになり、スムーズな商談へとつながることが期待できる。同社の糸への草木染によるビジネスの可能性は広がっている。

■審査委員長の目

自然志向にマッチした草木染による糸染めの工業量産化ノウハウを持つ同社の事業計画は染色業界における競争優位性を持っている。アパレルメ―カーやテキスタイルメーカー等からのニーズに対応し得る技術ではあるが、今後は自社の優位性をどのように周知し、市場開拓をどのように進めていくのか、といった課題解決が重要である。

<企業情報>
株式会社村田染工
代表者 : 村田 正明
住所 : 京都市中京区西洞院通三条上ル姉西洞院町531
TEL : 075-221-2238
Web : http://muratasenko.com/
<事業内容>
染色加工業

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